素粒子メダル(Particle Physics Medal)
素粒子メダル功労賞(Particle Physics Medal: Award for Contribution to Particle Theory Community)



  • 第23回(2023年度)素粒子メダル候補者推薦のお願い
  • 素粒子メダルのあり方に関するこれまでの議論

    素粒子メダルについて


          素粒子メダル創設の趣旨

      素粒子メダルは素粒子論の発展に重要な寄与をされた素粒子論グループメンバーを顕彰する事により、次世代の独創的研究を生み出したいという願いのもとに創設 するものです。若手研究者・中小大学研究者を取り巻く環境はさらに厳しさを増そうとするなか、様々な評価が行われています。自らの研究が未だ評価されない 困難な状況の中にいる研究者にとって、正しい研究を行っていれば必ず評価されるのだという信念を共有することは、研究を続けるうえで大きな勇気を与えてく れると思います。研究者自ら選んだ選考委員による、公正な評価に基づく「素粒子メダル」を育てて行きたいと考えるゆえんです。
     賞の格式は受賞される方の業績により定義されます。真に顕著な業績に対し賞を贈ることが大切です。もとより完全に公正な評価など存在しませんが、研究者 の業績は歴史の荒波に洗われた後、ある程度客観的な評価が自ずから定まり、後世に伝えられて行きます。標準理論確立以前の研究は既に科学史の対象となって おり、ある程度公正な評価を行うことができると思われます。しかしながら、これまで素粒子論グループ自身で選ぶ賞が無かったために、歴史的に高い評価が定 着している仕事でも、様々の理由で賞という形では認められていない業績が多くあります。21世紀に入ろうとする今、先輩達の歴史的業績を素粒子論グループ としてきちんと認めけじめをつける事が、次世代の独創的な研究を評価支援するうえで非常に大切だと考えます。最初の数年間、主にこれらの先輩達の業績を顕 彰することにより、「素粒子メダル」自身の定義付けができあがるでしょう。標準理論確立以降においても既に高い評価を勝ち得ている研究もあり、最初の数年 間は毎年2件程度の素粒子メダルを出す必要があると思われます。
     素粒子メダルとして現在2種類の賞があります。顕著な業績をあげた人を称える「素粒子メダル」に加えて、素粒子論グループメンバーの研究活動に大きく貢 献された方に贈る「素粒子メダル功労賞」の2種類ですが、功労賞は対象者が現れたときにだけ不定期に贈るものです。将来は、若手研究者を激励することをめ ざす「素粒子メダル奨励賞」も併設したいと考えています。

    平成12年11月1日

    素粒子論委員会 賞ワーキンググループ
    三田一郎、東島清、山口昌弘、米谷民明

    -----------------------------------------------------------------------------
    素粒子メダル創設の経緯・説明についてはsg-l 628、 sg-l 655、sg-l 598、
    sg-l 450、sg-l 767、sg-l 777、sg-l 789、sg-l 1456をごらん下さい。
    -----------------------------------------------------------------------------


    素粒子メダルの規則
    (1-A)賞の名称と趣旨
      素粒子メダル(Particle Physics Medal):素粒子論グループが、素粒子論およびその周辺分野で挙げられた顕著な業績を顕彰し、
      次世代のさらなる独創的研究が生み出されることを目的として、これに貢献した研究者に授与する。(*4)
      素粒子メダル功労賞(Particle Physics Medal: Award for Contribution to Particle Theory Community):素粒子論グループが、グループの発展に顕著な貢献をした人に授与する。
    (1-B)賞の件数
      素粒子メダル:毎年1、2件程度(*1)
      素粒子メダル功労賞:候補があるときのみ
    (1-C)メダルと賞状のみ;賞金なし
    (2)受賞資格
      素粒子論グループのメンバー(旧素粒子論グループメンバーも可)
      もしくは、素粒子論グループの発展に大きな功績のあった人
      制約はできるだけ緩めて
      ・共著者が亡くなっている
      ・共著者が素粒子論グループメンバーでない(外国人を含む)
      ・既に他の賞を受賞している(*5)
      ・共著者が既に他の賞を受賞している(*6)
      などの場合も受賞できるようにする。
      選考委員会の判断により、共同研究者のうち存命中の方は共同受賞とすることができる。
      その場合、受賞者の数だけメダルを贈る。
      ただし、奨励賞には年齢制限を設ける。
    (3)選考委員 (*7)
      選考委員は任期2年とし、6名を選挙で選ぶ。
      企画賞関係の委員は世話人とする。
      選挙の方法:
       ・毎年3名選出。
       ・3名連記。無記名投票。
       ・素粒子メダル、素粒子メダル奨励賞、日本物理学会若手奨励賞素粒子論領域、の3賞のいずれかの選考委員を務めた者は、任期終了後3年間は素粒子メダル選考委員を務めることが出来ないものとする。
       ・賞ワーキンググループ委員、素粒子メダル奨励賞選考委員および日本物理学会若手奨励賞素粒子領域選考委員はこの委員を兼ねることができない。
       ・素粒子メダル選考委員選挙、素粒子メダル奨励賞選考委員選挙および日本物理学会 若手奨励賞 素粒子領域選考委員選挙において同時に複数選出される可能性のある場合は、素粒子メダル選考委員選挙、素粒子メダル奨励賞選考委員選挙、日本物理学会若手奨励賞素粒子領域選考委員選挙の順に優先する。
       ・平成12年度は6名を選出し、上位3名を任期2年、続く3名を任期1年とする。
       ・平成12年度はワーキンググループが選挙を行う。
        平成13年度からは事務局が統一選挙に合わせて行う。
       ・任期は選挙の行われた次の1月1日からの2年間とする。
    (4)候補者の推薦 (*2)
      受賞候補者は次のいずれかにより推薦される者とする。
     (4-1)素粒子論サブグループのメンバーによる他薦および自薦による候補者。
     (4-2)選考委員会推薦候補者。
          前年度の選考委員会が、選考の対象とした候補者の中から次年度の候補として
          推薦することを決めた候補者。応募書類等は次年度にそのまま持ち越す。
     (4-3)「選考委員会運営および選考委員の役割に関する補足事項」の第4項に基づき、
          選考委員会が追加推薦する候補者。
     (4-2)による候補者しかいない場合は、選考委員会は素粒子論委員会に再募集を要請することができる。


    2006.3.29. 愛媛学会一部改正。
    (*1) 2008年9月22日(於山形大)の素粒子論懇談会で改訂。
    (*2) 2009年9月12日(於甲南大学)の素粒子論懇談会で改訂。
    (*3) 2010年9月13日(於九州工業大学)の素粒子論懇談会で改訂。
    (*4,*5,*6)2012年3月26日(於関西学院大学)の素粒子論懇談会で改訂。
    (*7) 2016年3月21日素粒子論懇談会で改訂

    選考委員会運営および選考委員の役割に関する補足事項

    1. 選考委員会には委員長をおく。 委員長は、選考委員会のまとめ役として、選考委員会の進行を 委員の中心になってすすめる。
    2. 選 考委員長は、原則として、選挙年度(任期1年目)の最高得票者がつとめる。また、選考委員長になった委員は任期2年目には、副委員長として、委員長の補佐 役をつとめる。ただし、この方式により委員長を決定できない事情が生じたときには 選考委員会の互選により、委員長を選出する。
    3. 選考委員会は、素粒子メダルの規則にのっとり、被推薦者に関してその業績を検討し定められた期日までに選考を行い、選考経過、選考結果、受賞者の業績の紹介を含む報告書を素粒子論委員会賞委員に提出する。
    4. 選考委員は、選考過程において、賞委員より選考委員会に付託された推薦者とその業績に関連して、他に考慮すべきと判断した者を新に推薦して候補者とすることができる。
    5. 選考委員が賞候補者として推薦されている場合には、その選考委員は選考の最終決定に関与しないものとするが、選考委員会の判断により選考過程に加わることができる。
    6. 選考委員長、または選考委員長の指名する選考委員は、授賞式において 選考に関する報告を行う。
    7. 選考委員会は選考に伴って生じる事務的事項(選考会議の場所の設定や 選考委員会開催に伴って生じる費用の請求など)に関して、企画賞委員の補佐を要請することができる。

    賞ワーキンググループ(以下賞WG)と選考委員会との関係に関する補足事項

    1. 素粒子論委員会賞WGは、選考委員会の進行に関して事務的な側面においてのみ補佐し、賞選考には加わらない。
    2. 賞WGは、各年度適当な時期(10月末から11月始め)に、素粒子メダルの推薦依頼を素粒子論グループメンバーに対して開始し、しかるべき時期までに結果をとりまとめて選考委員会に付託する。
    3. 選考委員会よりの報告書を受け取りしだい、賞WGは、素粒子論グループメンバーへの報告、メダルの発注、授賞式の準備、物理学会誌への報告、等をすみやかに行う。

    2015年度の予定
     2014年12月 選考委員選挙
     2015年1月 推薦依頼
          3月 選考に関する審議開始
          7月 受賞者決定
          9月 学会において授賞式