Rostock4(12月10日、11日)

ここでは2003年12月6日から19日にかけて、ドイツのロストックに滞在したときの模様を中心に、雑多なことを書きます。写真はイメージですので撮影の日付けと若干異なる場合があります。

12月10日

この研究室では、朝9時にコーヒータイムがある。日本では考えられないことだが、教授をはじめ10人くらいは参加している。でも来てない奴は来てないし、来ててもでてこない奴もいる。コーヒーとお菓子をいただく。コーヒーがなくなると朝だというのにGluhweinというワインを飲みはじめる。ついでなのでいただいてみる。クリスマスに特別なものだそうで、サングリアのように甘い。そこらへんの屋台で売ってるという。さがしてみよう。

午前中D.BとDさんと議論。媒質効果や中性子星について語る。有限温度/密度への応用ははやりの話題なので、勉強してみるのは大事だろう。いくつかレファレンスを教えてもらう。

walk1 昼食はまたも屋台。ピラフ状のものを発見し、米食いたさに購入。なかなかうまいがあの量で3ユーロはすこし割高。天気がいいので昼食後散歩をこころみる。大学の南側に公園というか散歩道があるようなのでそこへ向かう。

walk2 散歩道はわりと整備されている。緯度が高いので正午近いのに影が長い。冬至も近いし。冬は低いところに太陽があるので南を向くとまぶしい。学部時代に図書館方面から理学部に向かう道を歩いた日々を思い出す。散歩してるのはおばあちゃんか子供をかごにいれた奥さんくらい。散歩道にそって右手が旧市街を囲む壁で左に川がある。

散歩後大学に戻りながらそのへんの屋台をのぞくと、たしかにGluhweinが売っている。熱燗のようにあっためて飲むものらしい。その辺でカップを持ってみんななにか飲んでいるのは知っていたのだが、てっきりコーヒーだと思っていた。よく考えると不自然にワインくさい。いずれのんでみようかと思う。

家でテレビを見てるとウィーンの特集をしている。「Ihr Reiseshop」という番組で、前にプラハの紹介もあって、見たことあるところがうつっていた。ウィーンでは王宮からシェーンブルン宮、ベルウ゛ェデーレなどをうつしたあと、カフェや料理の紹介。シュニッツェルのところで「so gross!」が聞き取れる。たしかに無駄にでかい、あれは。

デザートにとおもって買った「Gourmet Dessert Vanilla-Traum」を食す。日本でうってる120円くらいのプリンの形で、上に描いてある絵がうまそうだったので買ってみた。絵ではしろっぽかたのだが、開けてみるとプッチンプリン色でびっくり。味も似ているが、ムース状というかもうすこし緩く束縛している。中に小さな気泡がはいっている感じ。シュークリームの中にはいってるやつと思ってもよい。まさにバニラの夢だがこの量はちょっといかがなものか。

シャンパンを飲みながらXのBlue Bloodを聞く。共用のパソコンなのでiTunesにはそれほどたくさんの曲はいれてないのだが、この頃のXはTaijiやHideがいい味だしている。Xのアルバムを聞いてみても、独自の視点と原始的な(ツインギターの活きたバンドらしい)音を出しているBlue Bloodが、あるいは最高のアルバムではなかっただろうか。Easy Fight Ramblingなどの楽曲は、その後は見られない。以降は一つの方向を向いたまま完全を期したせいで曲の完成が遅れやがて解散に至ったのだろう。他の方向を模索するには遅すぎた。ロココ芸術の悲しみがある。SoloよりXの中でのHideが好きだった。彼の作詞/作曲の才能を活かせたのもToshiのウ゛ォーカル、Xという器があってのことだろうと思う。彼にはXという枠が必要だった。

本日のお酒:スパークリングワイン。あけるのに少々苦戦したがおいしくいただいた。おつまみにカシューナッツを添えて。

12_10

12月11日

昨日の買い物によりハム+チーズ+パン+スープの朝ご飯に、レタス、ヨーグルト、ゆで卵が加わる。ようやくそれっぽいものが食べれるようになった。朝のサッカーアニメは「キッカーズ」であることが判明。なんかちょい悪役に「兵藤くん」が出ている。彼がキッカーズに挑戦状をだすのだが、そこに名前が書いてあった。今日転校していってしまった。外に出てみると今日は曇り空。これまでより寒い気がする。

univin 大学の建物に入ったところの写真。創立は15世紀という由緒ある大学で、建物は19世紀末のものだとか。美術館のような感じ。入り口の広間が2階まで吹き抜けになっている。真ん中にはクリスマスの飾りも見える。

Λ(1405)の高い方の極を引き出せるかもしれない過程の計算がまとまった。スムージング機能ばんざい。しかしまだこのiBookは物理的ファイヤーウォールの外であり、どうすればメールで送信できるのか。それほど急ぐ計算ではないが、1月にKEKで話すつもりなので早めにまとめておきたい気もする。

heya 大学の部屋の窓からは大通りが見える。が、写真で見えてるのは大通りから脇に抜ける道で、大通りはもっと真下。しかしなにやら赴きある感じだ。窓の外がこんなかんじだと研究もはかどる気がする。

昼に外に出ると、道で大道芸人が芸をしてらっしゃる。アコーデオンは普通だが、ギター弾きと男声合唱団はかなりのものだった。合唱団はCDも出しているらしく、前に並べてあった。少しのど自慢的発声が気になるが、北欧らしい重厚さがある。石の道に石の建物はそれだけでいいホールになる。

合唱といえば武満の関谷さんのPhilipsのCDを入れてきている。ジャズとはなんだろう。未だにジャズとモーツァルトにはなじめない。そろそろそういう世界が見えてきてもいいと思うのだが。まあわからんのを無理にわかった顔をして合理化するよりはましだろう。「モーツァルトを好きだ」という人間は信用していいが、一番好きな作曲家はときかれて「モーツァルト」と答える人間は信用してはならない。ジャズに関しては以前試みに「さようなら」をピアノに直してみたがそれっきりだ。「島へ」でもできると思うのだが。あるいは「小さな空」とか。他には何も残っていない。

そろそろわかってきたが、ここでは普通に英語は通じないようだ。ドイツ語の本を忘れたのは痛い。mitnehemenは聞いてきてよかった。だいたいガイドブックに2ページしか紹介されてないような町だし、日本人はおろか東洋人もめったに見かけない。まあそれほど難しいことをしゃべることはないので、どうにかなるのだが。

スーパーで妙に小さいタマネギを購入。みかん大であるが、昨日買ったマッシュルームとあわせて炒め物がそれなりのかたちになる。多少煙と香りが出るが、気にせず炒める。食べてみると少し辛い。炒め方がたりなかったか。

本日のお酒もどき:ビールと思って買ったがよく見るとアルコールフライと書いてある。セルベッサシンアルコールである。

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Rostock5(12月12日、13日)へつづく

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