Rostock8(12月18日、19日)

ここでは2003年12月6日から19日にかけて、ドイツのロストックに滞在したときの模様を中心に、雑多なことを書きます。写真はイメージですので撮影の日付けと若干異なる場合があります。

12月18日

D.B.がセミナーの謝金ということでお金をくれる。が、非常に大金。というかこないだもらった生活費より多い。こんなにもらっていいのだろうか。日本人らしく謙虚に多すぎますといったら、クリスマスプレゼントだ!と言われた。D.B.がサンタに見えた。

午前中D.B.とDさんと議論。ここで勉強したことのまとめと、カラー超伝導がらみの新しいことの提案を受ける。勉強してみるにはいい課題だ。

昼食をD.B.、Dさん、もう一人の教授のRさんと一緒にいく。なぜかイタリア料理か中華か選んでくれと言われた。ドイツ料理はないのかと聞くが、いいところがないとのこと。中華は嫌いなのでイタリア料理。大通りにある店で、ちょっといい感じ。値段はそれほどでもなくスパゲッティとビールをいただく。昼から酒を飲んでもうしろめたくないところが外国のいいところだ。彼等はピザを頼んだが、なにやら非常にでかいのが来ていた。料理のお味はまあまあ。ビールはうまい。D.B.は食べきれなかったようで、残りを包んでもらってた。こんなときにもmitnehemenが使えるということを知る。

戻った後D.B.とDさんと議論し、だいたいまとめて終了。夕方ここの教授たちでコロキウム+Gluhweinパーティーがあるらしい。タイトルは「ドットコミュニズム」だそうだ。ドットコム企業の盛衰とコミュニズムの盛衰を関連づけて話すとかいってたがこれいかに。D.B.はそれに向かうのでここでさようなら。おせわになりました。

その後少し作業をしたが、早く寝るためにはやめに帰ることにする。Dさんに買ったけど食べきれなかったパンとチーズを託しご挨拶をして、研究室を4時くらいに出る。デパートにお土産を見にいく。デパートではクリスマス売り場が出来てて、一階の売り場は食品類、3階にオーナメントや人形など飾り類が売っていた。デパートなだけに値段が若干露店より高めである。

その後通りのいくつかの露店でさらにお土産を買って帰る。木でできた飾りが売ってる店では、若い店員が英語で対応してくれた。値段とかだけでなく、その品物には色違いがあって大きさも3通りあるよ、とかちゃんとした説明までしてくれた。デパートですらドイツ語対応だったので、こんなところで英語がくるとは思わなかった。

帰って荷物整理。あきらかに来たときより重い。海外にも慣れてきたので、持って来るものは軽くなってきたのだが、帰りはお土産がどうしても重くなってしまう。とりあえず入りきる量ではあったようだ。まとまったので8時くらいには電気を消して就寝。

12月19日

午前4時半起床。日本では昼の12時半か。むろん外は真っ暗。最後のオレンジみかんや牛乳等を食し荷物をまとめる。朝食はハンブルグ駅か空港で食べる計画。

5時過ぎに駅に向かって出発。言われた通り鍵をレターボックスにいれ、家を出る。おせわになりました。駅までは普通に歩くと15分くらいの道のりだが、スーツケースを持ってるので遅い。加えてやっぱり車輪がおかしい。このスーツケースはいろいろひどい目にあってきて、何度か修理されている。車輪も一つ付け替えられているのだが、そいつがきれいに回転しない。のでまっすぐ進もうとしてくれない。その車輪のみが、普通に運ぶ向きから斜めに38度くらい傾いた方向に固定しやすい。加えて石畳にいろんな角度を向いた溝が入っている。ので移動は非常に疲れる。やはり買い換え時か。

休みながらなんとか駅に到着。5時半になっている。チケット売り場と本屋は開いているが、他の店はしまってる。エレベーターを駆使し6番ホームへ。あまり人はおらず。着いてすぐは移動に苦労したせいで暑かったが、すぐに寒くなる。コーヒーを売ってるスタンドはあいてるが、電車もすぐ来るのでがまん。時間が近付いてくるとしだいに人も集まってくる。

電車到着。乗り込んで席を確保。座ってしばらくして喫煙席であることに気付くが、人も結構のってるしまわりで吸ってる人もいないのでよしとする。コンパートメントではなく日本の電車型で、座席は2-2。中程にガラスしきりがあり、喫煙席と禁煙席を分けている。それぞれ真ん中に4人席があり、他の座席はそちらを向いているので後ろ向きと前向きが半分ずつ。回転はしない。4人席と、その後ろ一並びくらいには電源もついており、ノートパソコンが使えるみたいである。

などと観察してると電車が動き出す。と、入ってきた方向に走り出す。ん?これでいいのだろうか。 あきらかに西に向かってる気がするのだが。到着予定表を確認するとちゃんとハンブルグに向かっているが、方向がなんかおかしい気がする。ガイドブックをよく見てみると、線路は少し南に下ってから東にむかう形のようで、最初だけ西に向いているみたい。ロストック駅から東に向かう線路はリューベックなど北の方へ向かうもののようだ。

外はまだ暗い。が、ハンブルグに8時半くらいなので、途中で明るくなってくるだろう。この日の出前の世界が青に包まれる時間はよい。黎明はひたひたとよせてくる。基本的には電車は東向きに進むので、日の出は斜め後方くらいか。空には月が出ている。上弦の月と下弦の月の定義がどっちがどっちだったか忘れた。日の出と日の入りとどっちでみるのか。

しだいに山際から明るくなりはじめる。「やまのは」と「やまぎは」の区別は覚えているようだ。開集合と閉集合のようなものだ。風景は広い畑か草原か。遠くに山。たまに民家。日本人がヘンゼルとグレーテルのおかしの家と言われて思い浮かべそうな家が建っている。霜がおりているのか雪が降ったのか、なんかしろっぽいところもある。

気持ちいい時間も終わり夜が明けた。ぎっつぎったんるー。ハンブルグが近付くにつれて、少しずつ建物が増えてきて、しだいに都会らしくなってくる。

8:17ハンブルグ到着。エスカレーターをのぼり、来た時降りたバスのところへ行ってみる。スーツケースを持った人が何人かいる。時刻表を確認し、8:30のがある、と思うやいなやバスが登場。おなかもあまりすいてないので空港にいってしまうことにする。乗り込むと運転手が金を集めにくる。よく見ると「Jasper」と書いてある。なるほどこの情報は正しかったようだ。時間になるとバスが出発。最後の方にぎりぎりでのってきたおばあちゃんが、運転中の運転手に金を払っている。運転手も横向いて対応しながら運転しているのだが、いかがなものか。市街地を抜けて郊外へ向かう。来たときは暗くてわからなかったが、こういうところを走っていたのか。雪が少し降ったらしく、車の上とか道ばたで雪がうすくつもっていた。

空港到着。なんか工事中の様子である。それでバス乗り場があんなにさみしげな感じだったのだろうか。2階の出発ロビーへ。チェックインカウンターはLのエコノミーに長い列ができている。時間の余裕はあったが先にチェックインしてしまうことにして、列に並ぶ。ちらほら日本人っぽい人もいるか。

荷物を検査してる画面が並んでるところから見えるのだが、すごくはっきりと中身が見えている。ソーセージとワインがつまってるのを見られるのがすこし恥ずかしいがしょうがない。で検査は通過し、チェックイン。通路側希望。いつもHさんがやってるように、次のもチェックインできたかどうかと、フランクフルトで荷物をとる必要があるかを確認。ハンブルグ〜フランクフルトは27Aとかいてあるので窓際か。

ボディチェックを終えゲートへ。ゲートはすぐそこであった。まだ早いので人はあんまりいない。カフェがあったので朝食に。いくつかサンドイッチやパンがならんでいるが、スモークサーモンをのせたパテがうまそうだったのでいただく。4ユーロとちょっと高めだが、サーモンのためにはしかたがない。コーヒーをたのむとえらいでかいのが出てきた。席は日本でここ数年増えてきているチェーン店のコーヒー屋のような感じ。きちんと分煙されているのがうれしい。高いイスに座って朝からビールを囲んでるにいちゃんたちも絵になる。

朝食を終えてゆっくりコーヒーを飲む。時間もまあこんなもんだろう。ゲートに戻ると人がだいぶん増えているので、空いてる席を確保。ちらほら日本人もいるようだ。予定時間よりやや遅れてボーディング開始。チケットをもぎる人が日本人のおばちゃんで、いってらっしゃいませ、と言われた。

やはり席は窓際である。翼の上くらい。席は2-4-2であった。またまた嫌な感じになってくる。しかもなかなか動き出さない。滑走路が込み合ってるので20分くらい遅れて離陸しますが、目的地には予定通りにつけると思います、とのアナウンスが入る。飛行は1時間ちょっとの予定だったのだが、そんなにとりもどせるのか。

しばらくして離陸。なんか耳がおかしい。気圧の変化で変になるのをもとに戻すのがなかなかできず、音がよく聞こえない。大学3年のときに耳がおかしくなって、耳鼻科にいったら鼻のせいだといわれて鼻と耳との関連をおしえてもらった。そのときも、内圧が低くなって鼓膜のあたりが内側に引っ張られていて音が聞こえにくくなっていたらしい。今も鼻がつまってるので、そのせいだろうか。来るときはなんともなかったのだが。

耳の調子がおかしいが、とりあえず離陸には成功したようだ。飲み物はオレンジジュースで。下降をはじめるとまた耳が変になる。そっちが気になって飛行機恐さがうすらぐのはいいのだが、耳がおかしいのもあまり気持ちのいいものではない。

結局時間はとりもどせず、遅れて到着。耳はよく聞こえない状態のまま。関空行きの便のボーディング時間は過ぎているのだが、出発にはまだ時間があるので大丈夫だろう。次のゲートに向かって移動し、途中出国のスタンプを押してもらう。ゲートはすぐそこだったが、日本語で「関西空港行きLH740便のお客さまに最終のお知らせです〜」という放送がかかる。おっとこれは急がないと。時間があればフランクフルトでお土産を追加しようとおもってたのだが断念。飛行機に乗り込む。

乗ってみると人はあまりいない。35Dで、Bがないので2-4-2の4の通路側。割合は日本人(関西人)多め。すいているのか、と思ってると、ツアーとおもわれる関西人のおばちゃんの集団がのってくる。気持ちいいものではない。ツアコンさんも大変そう。が、横の席はまたも空席で快適。全体的にもいくつか空席があるようだった。

他の便からの乗り継ぎも上手くいかなかったようで、予定よりすこし遅れて離陸だが、こんどは長時間飛んでるので遅れもとりもどせるだろう。日本〜ヨーロッパの予定所要時間も少しずつ短くなってる気がするのは気のせいだろうか。ウィーンの時は12時間くらいかかってたような気がするが。離陸時に耳がいたくなる。たまにバリッとかいうし。こういうのは気にしないほうがいいものだ。しばらくすると慣れてくるのか普通になる。

朝4時半から起きてるのでそろそろ疲れてきている。例によってスパークリングワインからはじめる。ドイツのテレビのCMで何回か見たことのあるスパークリングワインであった。これはまあまあいける。食事は洋食で。またもワインをいってしまい、気持ち良く睡眠に向かう。が、1時間くらい寝たと思ったら起きてしまい、あとはずっと眠れなかった。

音楽は来たときと同じなので、本読みで時間を潰す。時折例の位置表示画面が出ると確認。そういえば昔は飛行速度、目的地までの距離、現地時刻の他に、高度とか出発してからの時間、外気温などの情報も出てた気がするのだが、最近はないのだろうか。よく考えると無意味な情報なのだが、そんなことを言うと他の情報もいらんだろう。

夜食がなかったのが残念である。帰りもあったとおもったのだが。あるいは寝てる間に、いやそれは早すぎる。映画が3本とも終わると、しばらくスクリーンにはなにも写ってない時間があった。ほとんどの人は寝てるからいいのだが、起きてあれを待ってる人もいるかもしれんのだし、どうせ何も移さないのだったら位置表示を出して欲しかった。

と文句が多いが、飛行に関しては今までで一番揺れが少ない飛行だった。安定していたし、揺れてもすぐに普通にもどった。冬の旅はゆれないのか、たまたま安定した気流だったのか機長のうでがよかったのか。いずれにしてもその点は非常にありがたかった。

明かりがついて朝食のサービスが始まる。朝食中も、モニターにはアメリカの動物たちがでてくるアニメを流してる。だからそんなんより位置情報だって。朝食もいっぱい出てきたが、あまり食欲が湧かずオムレツとパン一個食べて終了。コーヒーを飲む。外を見ると明るくなってきているようだ。

朝食後は降下をはじめる。目的地では西よりの強い風が吹いていますとのアナウンス。いつもは晴れ、とかしか言わんのに。降下をはじめるとやはり耳がおかしい。けっこう痛いし。どうしたことか。窓際でないのでよく分からんが、周囲の景色を見てるといつもより北の方から着陸しようとしている気がする。朝の天気予報で、成田では天候によって飛行機の着陸してくる向きが違う、という話をしていたがそういうことなんだろうか。

無事着陸。今回は飛行が安定していてそれはよかったのだが、耳がどうも気になる。音がよく聞こえない状況。いまいち気持ち悪いまま飛行機を降り入国審査へ。シンガポール航空の飛行機が同じくらいに到着したらしく、遊びにいっていたらしい若者が大勢。高校生の集団も。検疫で旅行中に体調が悪くなった人は報告してくれと行っているが、行く前から体調不良なのでしょうがない。

入国審査を受け荷物受け取り。すぐに出てきたのでとって税関へ。重い。車輪の不具合と全身つかれているのもあって、なかなか移動が困難だ。外に出るとけっこう寒い。向こうと同じくらいではなかろうか。電車はJRだが、次の関空快速がJR難波行き。乗り換えが余計に一つはいる。

関空快速では一人席を確保し座る。携帯のジョルダンで調べると、天王寺で環状線に乗り換え。天王寺で降りたはいいが、あまり来たことないので環状線がどこかわからない。エスカレーターをのぼり環状線を見つけ、ホームに降りた時にはすでに電車が来ている。あわてて乗り込む。なんとか予定通り。これで大阪で神戸線に乗り換えれば無事帰宅。

と思ってると神戸線がダイヤが乱れている。まあここまでくればどれに乗っても帰れるので気にせず来た快速に乗る。西宮あたりで雪が降ってくる。結局ロストックでは雪はなく、ハンブルグと大阪で雪を見るということになった。

おしまい。



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