Rostock6(12月14日、15日)

ここでは2003年12月6日から19日にかけて、ドイツのロストックに滞在したときの模様を中心に、雑多なことを書きます。写真はイメージですので撮影の日付けと若干異なる場合があります。

12月14日

朝起きると今日も雨が降っている。せっかくの休日なのに。きのうお酒を自粛したせいかいっぱい寝たせいか体調は良好。いつもの朝食を食べる。体調は着いた日しんどかった他は基本的に元気になっていた。咳は寒いところにいったり疲れたりすると出る模様。生活に支障がでるほどではないが、旅先なので無理はしないようにする。土日に他の町へ行ってみようかとも思ったが、疲れそうだったのでやめ。まだロストックも満喫したとはいえないし。

Petri でかけてみると小雨がぱらついている。まあまだ傘をさすレベルではなかろう、とおもっているとだんだん本降りに。近くのカフェに避難。ゆっくりとコーヒーを飲んでいるうちに雨はやんできた模様。これはチャンスと外に出て、昨日行けなかったペトリ教会へ向かう。

ペトリ教会は市電の通りを渡ってさらに向こう。Kroepeliner通りの端のあたりから、突き出た塔が見えはじめる。閑静な住宅街を抜けていく。丘の上に建っているという感じで、教会前の広場に車がたくさんとまっていた。ちょうど11時になったらしく鐘の音が聞こえる。と、よくみると広場で、大きな鐘を人力でついている。音程はミとレ。

kane ひととおり見た後、港に向かう。本来は電車でバルト海まで行ってみたかったが、体調と天気が思わしくないので却下。川だが歩いていける港でがまん。また市電の通りを渡り北へ。いくつかカフェを発見するが、日曜なのでやっていない。ある靴屋にHans Sachsと書いてあったが、マイスタージンガーか。あの人が国民的英雄というのは本当なのか。序曲の飛ばしのところを頭の中で歌っているうちに港へ着く。港まできてみると風が強い。とばされそう。

port 港から街に戻っているうちに、天気が良くなってくる。風がつよいせいか、天気がよくかわる。青空さえ見えてきた。昼食をとったあと、このあいだ行った散歩道へ向かう。こちらもいい感じ。東へ歩くとそこにも春にはきっと気持ちよさそうな公園が。この感じはウィーンの墓地と似ている。あのときは霧が出ていて雰囲気がすさまじかった。

park 公園にはほとんど人はいない。まあみんな祭りをやってる通りの方へ行っているのだが。枯れ木が悲しい感じである。若いねえちゃんが強そうな黒い犬と戯れている。

公園を出るとまた大通り。お土産を物色しようと思ったが、屋台になっている店以外は開いてないのでやめ。デパートは普通に日本の地方都市にあるような、高い階のないデパートと同じような造りなのだが、日曜にはやはり休む。とりあえず今日もいっぱい歩いた気がするので帰宅。異国の普通の道を散歩するのはやはりいいものだ。ただ歩くということに喜びを感じる。

帰って昨日のおかしでアフタヌーンティー。テレビをつけるとフセインがつかまったとのこと。盛り上がってる記者会見の模様が何度も繰り返される。ドイツ語がわからんのでBBCに変更。ブレアさんの演説。ちょうどリアルタイムくらいだったのか。散歩しているあいだにも世界はまわっているようだ。

カミュの「幸福な死」を読む。はじめて読んだときは、本の後ろに書いてある内容からドストエフスキー、ニーチェ的なものを想像し、ストーリーの展開の悪さに辟易したが、これはそんな話ではない。「罪と罰」では太陽になれない主人公、黙示録の魔物の番号を背負った主人公は苦悩するが、メルソーはすでに太陽であり海である。彼の発熱は、良心の呵責でもキリスト教的道徳でもなく、ひとえに幸福への意志によるものである。自己の人生、貧困という問題を投影したカミュの姿勢には同意しかねるが、ところどころにあらわれる文章の美しさは比類ない。交通事故にあわず改訂を加えていたら、カミュの代表作にもなりえただろう。

本日のお酒:スパークリングワイン(ゼクト)。

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で終わるつもりが気持ちよくなってしまったのでもう一本赤ワイン。味はあっさりだが香りがすばらしい。葡萄酒はキリストの血である。

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12月15日

起きて外をみると地面がぬれている。また雨か、と思っていたが、出かけるころには雨は降っていない模様。どんよりと曇っているが、海の方には雲がなく青空も見えるので、そのうち晴れて来るかも。

昼食をD.B.にごちそうになる。グヤーシュはうまい。寒い季節に欠かせない一品である。その後戻ってカラー超伝導の話。京都のKさんの話になると、しきりにFunny guyと言っていた。何をなさったのか。このへんに興味があって勉強してみたいというと、いくつか提案をされた。とりあえず知識のバックグラウンドがないのでレファレンスを教えてもらう。広島のKさんに連絡をとりどんなもんか聞いてみる。日本にはKが多いのか。K沢さん、K廣先生、K山さん、K出さん、、、

kloster 昼過ぎには天気は回復していた。大学の裏には聖十字修道院がある。古い建物。十字架に鳩がとまっていた。この一画は趣があり、非常にいい感じの場所である。大学の近くにこういうところがあれば研究もはかどる気がする。緑あふるる野山も好きではあるのだが。 hato

帰りの日はハンブルグを11時丁度の飛行機で出発。そのためには空港に9〜10時くらいに着きたい。駅から空港までは20分おきの直行バスで20分くらい。ということでハンブルグ駅に8時過ぎくらい、のためにはロストックを6時の電車にのる。と言うことを秘書さんとD.B.が調べてくれた。他にも、ここから空港まで乗り合いバスみたいなんで運んでくれるサービスもあるらしい。これは途中で一緒に乗ってくれる人が多いほど安くなるという代物で、空港まで誰も乗ってこないとロストックからだと100ユーロくらいになるという。こちらも調べてくれたが、朝4時にロストックを出るのでなければ安くならんそうで、それよりは電車で行くことにする。

別の方法として、18日の夜にハンブルグに泊まるというのもあるが、これも宿泊代がかかってしまう。ロストックの部屋も18の夜の分はもう払ってしまっているし。ただ、こうすると18の朝に出ればハンブルグ観光が少しできるという利点もある。クレーも見れるし。が、まあ今回はとりあえず6時の電車で行くことにする。

晩ご飯は日本からもってきたレトルトカレーとタマネギスープ。カレーを持って来るのは今回はじめて思い付いた。パンがあるんだし、お湯であっためればすぐできるからなかなか便利である。部屋がカレー臭で満たされる。換気のため窓を開けようとすると、窓が2重になっていた。暖房は部屋の隅にあるだけなのに夜も結構暖かいと思ったが、こういう仕組みだったのか。このへんは生活の知恵だろう。

本日もお酒を自粛。

Rostock7(12月16日、17日)へつづく

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