C01班の研究概要
量子情報を用いた量子宇宙の基礎理論 (21H05187)
量子情報と重力理論をつなぐエンタングルメント・エントロピーの幾何学公式(笠-高柳公式)を端緒として、「重力理論の宇宙は量子情報の集合体である」という予想が得られ、世界的に注目されています。C01班の目的は、この予想を素粒子論に量子情報の視点を導入することで発展させ、「極限宇宙」の一つである「宇宙創成のダイナミクス(量子宇宙)」の基礎理論を解明することです。この土台となるのが、「ゲージ重力対応」、つまり「反ドジッター宇宙の重力理論は場の量子論と等価である」という仮説です。ゲージ重力対応は、多くの具体例の検証に耐えた有力な考え方ですが, 何故この対応が生じるのか?という原理の部分は今でも分かっていません。この基礎原理がわかれば, 宇宙が無から創成される機構を解明することが可能になり, 究極の物理法則の構築へと繋がると期待されます。また、反ドジッター宇宙は、負の曲率をもつ宇宙ですが、我々の住んでいる現実世界の宇宙や、宇宙創成の過程ではむしろ正の曲率、すなわちドジッター宇宙となっていると考えられています。本研究では、量子情報理論の手法とゲージ重力対応を組み合わせることで、ゲージ重力対応の基礎原理をまず明らかにし、次に、それをヒントに反ドジッター宇宙を超えて、ドジッター宇宙のような、より一般の宇宙に対してゲージ重力対応を大きく拡張することで、量子宇宙の基礎理論をひも解いていきます。
C01のメンバー構成
[研究代表者]
高柳 匡 京都大学基礎物理学研究所・教授
[研究分担者]
奥山 和美 信州大学理学部・教授
杉本 茂樹 京都大学理学研究科・教授
関野 恭弘 拓殖大学工学部・教授
疋田 泰章 京都大学基礎物理学研究所・特定准教授
[海外研究協力者]
笠 真生 Princeton大学・教授
吉田 紅 Perimeter研究所・教員
[領域ポスドク(研究協力者)]
Jonathan Harper 京都大学基礎物理学研究所・特定研究員
[研究協力者]
上床 隆裕 香川高等専門学校・一般教育科・講師
北村 比孝 立教大学理学部・特別研究員
後藤 郁夏人 京都大学基礎物理学研究所・学振特別研究員(CPD)
酒井 一博 明治学院大学法学部・准教授
宮下 翔一郎 早稲田大学理工学術院・講師(任期付)
宮地 真路 京都大学基礎物理学研究所・助教
鈴木 健太 東京大学広域科学専攻・相関基礎科学系・助教
Shan-Ming Ruan 京都大学基礎物理学研究所・ポスドク研究員
Ali Mollabashi IPM研究所(イラン)・助教
Pawel Caputa ワルシャワ大学・准教授
魏 子夏 Harvard大学・Junior Fellow, Harvard Society of Fellows
森 崇人 京都大学基礎物理学研究所・学振特別研究員
楠亀 裕哉 九州大学高等研究院・准教授
中山 泰晶 NTTコミュニケーション科学基礎研究所・ポスドク研究員
Peng-Xiang Hao 清華大学/京大基研・ポスドク研究員
[大学院生]
瀧 祐介 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
小川 順生 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
川本 大志 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
鈴木 優樹 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
津田 崇史 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
土井 一輝 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
神田 大樹 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
新名 宏太朗 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
田耕 健也 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
前田 陵汰 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
小原 充貴 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
中村 七海 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
藤木 恒成 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
[過去のメンバー]
佐藤 政秀 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
Ibrahim Akal 京都大学基礎物理学研究所・ポスドク研究員
佐藤 芳紀 京都大学基礎物理学研究所・湯川特別研究員