D01班の研究概要

場の量子論のダイナミクスへの量子情報的アプローチ (21H05190)

研究代表者:西岡 辰磨

素粒子の標準模型に代表されるように私たちの身の回りの現象の多くは場の量子論の言葉で記述されています。ミクロな領域の物理を理解することは物質の究極的な構成要素を解明するだけでなく、多数の基本的な量子系が互いに協調して新たな物理現象を創発する量子多体系の本質を探る上でも重要です。D01班の目標はこのような量子的な振る舞いを示す物質のダイナミクスを理解することです。量子情報理論では様々な物理操作の下で量子系がどのように変化するかということが一般的な観点から調べられています。このような量子情報理論の視点を取り入れることで、従来の方法では分からなかった場の量子論の新たな側面が明らかになる可能性があります。特に場の量子論と量子情報理論の背後にある共通の数理構造に着目することで、個々の量子系に依存しないすべての場の量子論が持つべき普遍的な性質を見いだすことができると期待されます。また場の量子論のダイナミクスの解明に向けた相補的なアプローチとして量子計算機による場の量子論のシミュレーションを行います。有限密度系や実時間系を含む多くの物理系は古典計算機では困難ですが、量子計算機では効率的にシミュレートできると期待されています。場の量子論に適した量子計算の手法を開発し実装することで、素粒子の散乱過程やブラックホールの蒸発過程などの重要な現象を解明します。さらに場の量子論の量子情報理論的な側面を基礎としてホログラフィー原理や量子重力理論との関係性を模索していきます。

D01のメンバー構成

[研究代表者]
西岡 辰磨 大阪大学大学院理学研究科・教授

[研究分担者]
松尾 泰 東京大学大学院理学系研究科・教授
奥田 拓也 東京大学大学院総合文化研究科・助教
本多 正純 京都大学基礎物理学研究所・助教
伊藤 悦子 理化学研究所数理創造プログラム・上級研究員

[領域ポスドク(研究協力者)]
Pratik Nandy 京都大学基礎物理学研究所・特定研究員
Dongsheng Ge 大阪大学大学院理学研究科・特任研究員

[研究協力者]
山崎 雅人 東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構・教授
鈴木 了 Shing Tung Yau Center of Southeast University, Professor
丸吉 一暢 成蹊大学理工学部・准教授
土居 孝寛 大阪大学核物理研究センター・特任助教
田島 裕之 東京大学大学院理学系研究科・助教
筒井 翔一朗  理化学研究所数理創造プログラム・客員研究員
永野 廉人 東京大学素粒子物理国際研究センター・特任研究員
吉田 豊  明治学院大学 法学部 消費情報環境法学科・助手
猪谷 太輔  慶應義塾大学 自然科学研究教育センター・研究員
松本 祥 理化学研究所数理創造プログラム・特別研究員
居石 直久  慶應義塾大学・訪問研究員

[大学院生]
助野 裕紀 Stony Brook University・大学院生
奥山 義隆 東京大学大学院理学系研究科・大学院生
川畑 洸貴 東京大学大学院理学系研究科・大学院生
矢萩 慎一朗 東京大学大学院理学系研究科・大学院生
中西 泰一 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
嶋守 聡一郎 大阪大学大学院理学研究科・大学院生
藤村 晴伸 大阪大学大学院理学研究科・大学院生