C03班の研究概要

量子情報を用いた量子宇宙の数理とその応用 (21H05189)

研究代表者:白水 徹也

時空の物理理論である一般相対論を土台とする宇宙論は様々な観測結果を説明し大きな成功を収めてきました。しかし、宇宙初期(インフレーション期)と現在の2回にわたる宇宙空間全体の加速膨張の起源は未だ現代科学最大の謎として残されています。これは人類の重力・時空に関する理解が未熟であることに起因していると考えられます。そこで、C03班は素粒子理論で発展してきたゲージ重力対応(特に笠-高柳公式)の量子情報理論的側面をブレーンワールドに取り入れることにより、宇宙創生・加速膨張の謎および、重力・時空の全容を解明することを目標としています。
「ブレーンワールド」とは、我々の住む宇宙が高次元空間の境界(ブレーン)に相当すると考えるモデルで、素粒子理論から自然に導かれます。このブレーンワールドの理論を笠-高柳公式と量子情報理論の考え方から構築し直し、他班と連携し宇宙の謎に迫ります。
一方、時空のさざ波である重力波が2015年に、ブラックホールの作る“影”が2019年に観測されたように、一般相対論が成立するか直接テストできる面白い時代になってきました。そこで、量子重力理論から期待される一般相対論からのずれの検出を念頭に置いた基礎研究も行います。

C03のメンバー構成

[研究代表者]
白水 徹也 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・教授

[研究分担者]
泉 圭介 名古屋大学素粒子宇宙起源研究所・講師
小林 努 立教大学理学部・教授
棚橋 典大 中央大学理工学部・助教
野澤 真人 大阪工業大学工学部・講師
吉野 裕高 大阪公立大学大学院理学研究科・准教授

[領域ポスドク(研究協力者)]
吉田 大介  名古屋大学大学院多元数理科学研究科・特任助教

[研究協力者]
山田 澄生 学習院大学理学部・教授

[大学院生]
Diego Soligon 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・大学院生
付 磊 名古屋大学大学院多元数理科学研究科・大学院生
天羽 将也 京都大学基礎物理学研究所・大学院生
末藤 健介 大阪公立大学大学院理学研究科・大学院生

[過去のメンバー]
木下 俊一郎 中央大学・研究員
佐合 紀親  京都大学/大阪公立大学・研究員