latex:latexmkの設定
Table of Contents
概要
- LaTeXで作ったファイルをPDFにするためには、TeXファイルをコンパイルしたものをDVIファイルとして出力し、PDFファイルに変換する、という一連の作業が必要です。
- latexmkはユーザーの代わりにこの一連の流れを自動で行ってくれます。
- 英語のファイルであれば特に設定しなくてもTeXファイルをPDFにできますが、日本語の場合はpLaTeXというものを使う必要があるために設定が必要です。
使い方
設定ファイル
ホーム・ディレクトリ(ユーザー名がUSERNAMEの場合、Mac, Linuxの場合は /home/USERNAME/、Windowsの場合は C:\Users\USERNAME)に次の .latexmkrc というファイルを作成します。
- .latexmkrc
#!/usr/bin/env perl $latex = 'platex -synctex=1 -halt-on-error -interaction=nonstopmode -file-line-error %O %S'; $bibtex = 'pbibtex %O %S'; $biber = 'biber --bblencoding=utf8 -u -U --output_safechars %O %S'; $makeindex = 'mendex %O -o %D %S'; $dvipdf = 'dvipdfmx %O -o %D %S'; $max_repeat = 5; $pdf_mode = 3; # preview $pvc_view_file_via_temporary = 0; if ($^O eq 'linux') { $dvi_previewer = "xdg-open %S"; $pdf_previewer = "xdg-open %S"; } elsif ($^O eq 'darwin') { $dvi_previewer = "open %S"; $pdf_previewer = "open %S"; } else { $dvi_previewer = "start %S"; $pdf_previewer = "start %S"; }
%Sはソースファイル、%Oはオプション、%Dは出力ファイルに置き換えられます(もし指定しなくてもlatexmkが自動的に補完してくれます)
- $latex … TeXファイルをコンパイルしてDVIファイルを作成するのに使うコマンドを指定します。日本語の文章では platex がよく使われます
- -synctex=1 … プレビュー画面からソースコードの該当箇所に移動できるようにします
- -halt-on-error … コンパイル中にエラーが発生した場合、コンパイルを終了します。
- -interaction=nonstopmode … コンパイル中にエラーが起きても、ユーザーにどう処理するかの指示を求めずにコンパイルを続行します
- -file-line-error … TeXファイルの何行目でエラーが発生したかを表示します
- $bibtex … BiblatexのバックエンドにBibTeXを使用するときのコマンドを指定します。日本語の文章では pbibtex がよく使われます
- $biber … Bibtexのバックエンドにbiberを使用するときのコマンドを指定します。
- –bblencoding=utf8 … bblファイル(参考文献ファイル)の文字コードをUTF-8にします
- -u … 入力ファイルの文字コードをUTF-8にします
- -U … 出力ファイルの文字コードをUTF-8にします
- –output_safechars … ユニコード文字をLaTeXの命令を使ってエンコードした形で出力させます
- $makeindex … 索引を作成するときのコマンドを指定します。\usepackage{makeidx}を使うときに必要になります。日本語の文章ではmendexがよく使われます
- $dvipdf … LaTeXにより出力されたDVIファイルをPDFファイルに変換するコマンドです。日本語の文章ではdvipdfmxがよく使われます。
- $max_repeat … 最大何回コンパイルするかを指定します。
- $pdf_mode … PDFの出力形式を指定します
- 0 … \$latexにより dviファイルを生成する。PDFを出力しない
- 1 … \$pdflatexを使って、DVIファイルなどを経由せずに直接PDFを作成
- 2 … \$latexにより生成されたDVIファイルを\$dvipsによりPSファイルに変換したあと、\$ps2pdfによりPDFを作成
- 3 … \$latexにより dviファイルを生成し、\$dvipdfによりPDFを作成
- 4 … (おまけ機能)\$lualatexにより直接PDFを作成
- 5 … (おまけ機能)\$xelatexによりDVIを生成後、\$xdvipdfmxによりPDFを作成
- $pvc_view_file_via_temporary … latexmkを-pvcオプションをつけて実行すると、texファイルに変更があるたびに自動で再コンパイルする。その際に、昔のデータをいくつ残しておくかを指定する(0だと残さない)
- $dvi_previewer … DVIのプレビューを表示するためのプログラムを指定します。synctexに対応しているものを使います
- $pdf_previewer … PDFのプレビューを表示するためのプログラムを指定します。synctexに対応しているものを使います
TeXファイルのコンパイル
設定ファイルが作成できたら、TeXファイルはコマンドラインからコンパイルできるようになります。 例えば、test.texというファイルをDVI経由でPDFにしたあと、プレビュー画面を開き、texファイルに更新があれば再コンパイルしたい場合は、次のようにします
$ latexmk -pdfdvi -pvc test.tex
よく使うオプションは次のとおりです。
- -pdfdvi … \$latexを使ってDVIファイルを生成したあと、\$dvipdfによりPDFファイルに変換する(pdf_mode=3に相当)。-latex=uplatex などで一時的に\$latexを変更可能
- -pdf … \$pdflatexを使ってPDFファイルを生成する(pdf_mode=1に相当)。-pdflatex=lualatex などで一時的に\$pdflatexを変更可能
- -pv … TeXファイルをコンパイル後にPDFのプレビューを開く
- -pvc … -pvの機能に加えて、texファイルを監視し、変更があったときに自動で再コンパイルを行う(PDFのプレビューを閉じるまで)。
- -c … 中間ファイル(.logや.auxなど)を削除(コンパイルは行わない)
- -C … 出力ファイル(.dviや.pdfなど)を削除(コンパイルは行わない)
オプション一覧は
$ latexmk -h
で確認してください。
その他のオプションをつけたときは %O に代入されます。
latex/latexmkの設定.txt · Last modified: 2021/06/27 22:04 by 127.0.0.1