wien2k:電荷密度分布
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概要
実空間における電荷密度分布の描き方を解説します。 電荷密度分布がわかることで、波動関数の広がりや化学結合の様子などがわかるようになります。
電荷密度の表示にはXCrysDenが必要です。
2次元電荷密度分布の計算手順
ある面上での電荷密度分布のを計算します。
準備
作業ディレクトリで x_lapw を実行します。
$ x_lapw lapw2 -p -emin -1.0
ここで lapw2 は価電子帯の電荷密度を計算するフラグです。 内殻も含めたすべての電荷を足しあわせてしまうと結合に寄与している電子がわかりにくくなりますので、-emin -1.0 というオプションをつけて -1.0 Ry からフェルミ準位までの間にある電子だけを取り出しています。 実際にどの範囲までのエネルギーを取り出すかは状態密度などを見て判断してください。
XCrySDenによる計算
- XCrySDenを起動
$ xcrysden
- メニューバーの[File]から[Open WIEN2k…]→[Calculate & Render Density]をクリックし、現在の作業ディレクトリが選ばれていることを確認して[OK]をクリック
- 2次元電荷密度をプロットしたいので、[2D Density Plot]をクリック
- wnDesity 2D Map - Grid Specificationウィンドウ
- [Number of points along one grid-segment:]をクリックし、電荷密度プロットの解像度を指定(100程度で十分)
- [Three atoms spanning parallelogram selection]をクリックし、3次元結晶構造中に表示されている原子を3つクリックすることで電荷密度を計算する2次元面を指定(選んだ原子位置を頂点とする平行四辺形になる)。指定したらSelected Paralleogramウィンドウにある[Selected]をクリック
- [Update Display]をクリックし、計算する2次元面を確認
- もし[Rectangular parallelogram]にチェックを入れると、2次元面が上で選んだ平行四辺形を含む長方形になる
- [Submit]をクリック
- wnDensity - Specify Flagsウィンドウ
- ここは何もせずに[OK]をクリック。計算のインプットファイルが表示されるので、[OK]をクリックすれば電荷密度計算が始まる(複雑な物質だと少し時間がかかる)
- Property-plane Controlsウィンドウ
- [Selected Color basis]と[Select scale function]を自分の好きなものに選択
- [Property-plane display option]でどのように表示したいか選択し、[Submit]をクリック
- 電荷密度の上限のレンジは大きめにとられているので、[Ranges]タブ内の[Highest rendered value]を調整して、再度[Submit]をクリック
以上で2次元電荷密度分布を描くことができます。 電荷密度の表示に原子が邪魔だなと思ったら、[Modify]→[Ball Factor]で原子サイズを調整することができます。
XCrySDenを閉じた後、再び度電荷密度が確認したくなった場合は、XCrySDenを起動し、[File]→[Open WIEN2k…]→[Render pre-Calculated Density]で作業ディレクトリを選んで[OK]をクリックしてください。
wien2k/電荷密度分布.txt · Last modified: 2021/06/27 22:04 by 127.0.0.1