概要

学術変革領域研究 A「極限宇宙の物理法則を創る-量子情報で拓く時空と物質の新しいパラダイム」が2021年9月よりスタートしました。この研究プロジェクトでは、量子情報と物理学(素粒子・物性・宇宙)を融合させ、極限宇宙の3つの問題:ブラックホールの量子論、宇宙創成のメカニズム、量子物質のダイナミクス、を解明することを目指しており、領域会議や各種研究会のほか、領域スクールを計画しています。この領域スクールでは、分野融合研究を推進するため、関連分野の複数の講演者による講義を開催することで、各分野の考え方、研究動向や問題点や課題等の情報を共有したいと考えています。これにより、領域内外の異なる研究背景をもつ研究者・学生間での議論を促進し、上記のような問題に取り組む共同研究のきっかけとします。
2022年3月に実施した第1回スクールに引き続き、本領域と関連した分野の講義を、今回は完全オンラインで実施します。各大学院・学部の通常の講義等と時間帯が重なる可能性がありますが、講義ごとに各回の間に2日程度の時間をとり、参加登録者は、この間に(それ以降も当面)参加できなかった講義の録画を視聴できるようにする予定です。

開催日程

2022年7月4日(月)午前 ~ 7月12日(火)12:20 頃 のうち9コマ(1コマ: 講義90分+質疑応答30分)+議論時間を予定
完全オンライン

7月4日(月) 7月5日(火) 7月6日(水) 7月7日(木) 7月8日(金) 7月11日(月) 7月12日(火)
9:50 - 10:00 はじめに
(手塚)
10:00 - 12:00 ゲージ重力対応入門-1
(飯塚)
テンソルネットワーク法の基礎-1
(上田)
ゲージ重力対応入門-2
(飯塚)
ゲージ重力対応入門-3
(飯塚)
量子計算の場の量子論への応用-3
(本多)
12:00 - 13:30 休憩 休憩 (- 12:20) おわりに
(高柳)
13:30 - 15:30 量子計算の場の量子論への応用-1
(本多)
テンソルネットワーク法の基礎-2
(上田)
量子計算の場の量子論への応用-2
(本多)
テンソルネットワーク法の基礎-3
(上田)
15:30 -
18:00 - (オンライン懇親会)

講師

    • 飯塚則裕氏(阪大理)「ゲージ重力対応入門」(3回)
      概要:ラージNゲージ理論と量子重力理論としての超弦理論の双対性についてできるだけ入門的な解説を行う。時間があればブラックホールの量子論やゲージ重力対応の応用例についても触れたい。
      QCD(量子色力学)や一般相対論などの基礎的な知識はある程度前提とする。
    • 上田宏氏(阪大QIQB)「テンソルネットワーク法の基礎」(3回)
      概要:最も基本的なテンソルネットワーク(TN)状態で、離散格子上の1次元量子多体系/2次元古典統計模型の解析を得意とする行列積状態(MPS)を題材に、TN法の基本的な計算原理やその最適化手続きについて解説する。その後、エンタングルメントエントロピーの観点からMPSと相補的な性質を持つTN状態を生成するマルチスケールエンタングルメント繰り込み仮設(MERA)のレビューを行う。時間があれば2(3)次元以上の量子(古典)系を解析する際によく利用されるTN法についても触れる。
    • 本多正純氏(京大基研)「量子計算の場の量子論への応用」(3回)
      概要:量子計算の場の量子論の数値シミュレーションへの応用について入門的な解説を行う。まず量子計算の基礎的な部分を解説した後に、量子計算のスピン系のシミュレーションへの応用について議論する。その後連続的場の量子論・および格子上の場の量子論に関する入門的な解説を行い、場の量子論のシミュレーションについて議論する。

参加申込

参加登録フォームからお申込みください。参加費は無料です。

世話人

泉圭介 (名大 KMI)、奥西巧一 (新潟大自然科学)、高柳匡 (京大基研) 、手塚真樹 (京大理)、中田芳史 (東大工)、本多正純 (京大基研)、山本大輔 (日大文理)

連絡先

領域スクールに関するお問い合わせは tezuka at scphys.kyoto-u.ac.jp までご連絡ください。