学術変革領域研究(A)「極限宇宙」における「公募研究」のご案内

研究期間は2022-2023年度の2年間となります。
研究項目は、E01(量子情報)・E02(理論物理)・E03(実験物理)の3種です。
公募要領、研究計画調書など詳細は以下の文科省のサイトをご覧ください:
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1394559_00004.htm
https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1394561_00002.htm

公募研究説明会(日本語で行います)

 公募研究説明会を12月4日(土)の午後2時よりzoomオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、オンラインイベント参加登録サイト[こちら]へ、登録お願いします(コロキウム参加登録と兼用です)。
スケジュールは以下を予定しております:
14:00-14:15 領域概要 (領域代表)
14:15-14:45 各計画研究概要 (各研究代表者)
14:45-14:55 公募研究の説明 (領域代表)
14:55-15:30 質問セッション

[公募研究説明会の録画ビデオ(多くの研究者の皆様にご参加いただき、どうもありがとうございました。)]
[領域の概要スライド][各計画研究の概要スライド][公募研究の趣旨スライド]

領域の概要

 これまで物理学は時間、空間と物質を基本的構成要素として素粒子、物性、宇宙スケールに至る階層構造ごとに自然界の法則を組み立てて来た。しかし、本研究領域で極限宇宙と呼ぶ状況、すなわち、自然界の基礎となる三つの極限 「空間の極限」(ブラックホールの量子論)、「時間の極限」(宇宙創成のメカニズム)、「物質の極限」(量子物質のダイナミクス)では、それぞれの階層で基礎を担っていた自由度自体が強く揺らぎ、既存の物理学の理論体系は困難に直面してしまう。ところが、21世紀に入り、量子情報の考え方が既存の物理分野に横串のように突き刺さり、上記の状況にダイナミックな変化が起こりつつある。例えば、重力理論の宇宙は量子情報の無数の集積とみなせることが見出され、大きな注目を集める一方、このような量子情報の集積はテンソルネットワークと呼ばれる量子物質の高精度な数値解析手法も与える。本研究領域では、空間、時間、物質のそれぞれの極限に加え、「情報の極限」(量子情報)の研究に関わる研究者を結集し、かつ、既存の分野の枠を超えて融合的な研究を推進することで、従来の物理学の枠を脱し、上記の極限宇宙の諸問題を解明することを目的とする。
 本研究領域の計画研究の各研究項目の目標は以下のようになる。「空間の極限」では、ゲージ重力対応(B01)、冷却原子気体実験(B02),一般相対性理論(B03)に量子情報の視点を融合させてブラックホールの量子論を解明・検証すること、「時間の極限」では、量子重力(C01)、量子ホール系実験(C02)、宇宙論(C03)に量子情報の視点を積極的に組み入れて量子宇宙を解明・検証すること、「物質の極限」では、場の量子論(D01)および量子多体系理論(D02)の立場に量子情報の考え方を取り入れ、量子物質のダイナミクスを解明することを目標とする。さらに、A01においては量子情報の理論的研究を推進するとともに、その最新の量子情報研究の進展を上記のそれぞれの研究項目に橋渡しする役割を担う。また、量子情報をキーワードとした極限宇宙の国際研究展開を推進するともに、若手研究者の成長を積極的に促すことも本領域の重要な目的となっている。このような試みにより、上記の研究目標を実現することで、量子情報の時代にふさわしい物理学の学問体系への変革を目指す。

公募する内容、公募研究への期待等

 本研究領域は、量子情報分野と物理学分野の様々な研究者を集結して、極限宇宙(ブラックホールの量子論、宇宙創成、量子物質のダイナミクス)、及びその基礎となる量子情報の研究に取り組むとともに、素粒子・物性・宇宙などの既存の分野にとらわれない、新しい研究展開を創出することも目指している。公募研究には、A01-D02の研究項目に関連のある研究に加えて、それぞれの項目に相補的な研究や、複数の研究項目にまたがるような理論的及び実験的な研究提案を期待する。例えば、物理学を念頭に置いた量子情報に関する様々な研究、テンソルネットワークの素粒子論への応用、強相関物質や非平衡量子多体系の数値計算やゲージ重力対応による解析、数値相対論、量子計算機を用いた物理シミュレーション、量子光学やNMRなど高い制御性を有する量子多体系・量子ビット系の実験、また素粒子・原子核・宇宙分野の実験・観測による新しいアプローチなども想定している。これらに限らず、量子情報と物理学をつなげる斬新なアイデアや、理論と実験を橋渡しするような研究の提案などを期待する。なお、各研究項目の詳細については本研究領域のホームページを参照のこと。
 応募の上限額については、研究の規模に応じて100万円/年、300万円/年、500万円/年を設定するが、100万円/年は主に理論的研究、300万円/年は数値計算や実験的研究など、500万円/年は、大規模数値計算や実験的研究などを想定している。

公募する研究項目、応募上限額、採択目安件数

研究項目番号 研究項目名 応募上限額(単年度当たり) 採択目安件数
E01 量子情報に関する理論的・実験的研究 500万円
300万円
100万円
3件
7件
17件
E02 極限宇宙に関する理論的研究
E03 極限宇宙に関する実験的研究

補足:応募上限額は、E01、E02、E03のどれでも500万円、300万円、100万円の3つの選択肢があるという意味です。

本領域の研究テーマにご関心を持っていただける研究者の皆様の積極的なご応募をお待ちしています!