第79回日本物理学会年次大会(2024年) 共催シンポジウム:
量子多体系におけるダイナミクス研究の進展~極限宇宙の物理法則を探る

(JPS 2024 ExU symposium: Dynamics in quantum many-body systems ~ ExtU symposium)

Date

2024年9月17日(火) (Sept. 17(Tuse.), 2024)

Place

北海道大学 (Hokkaido University)

概要

 近年、量子多体系のダイナミクスを取り扱う手法開発や、量子情報・機械学習的な考え方を取り入れることで系のダイナミクスの特徴を捕捉しようとする試みが活発に進んでいます。本シンポジウムでは、エンタングルメント面積則・体積則の観点から、量子ダイナミクス研究に生じる困難さ、また実験技術の発展によって具体的に理論予測がどのように確かめられているかなどの基礎的な観点がまず整理されました。それに関連しまして、森氏(B02分担)により最近の物性基礎論的な理解の進展(熱化と長時間緩和の特徴づけ)、原田氏(D02分担)による計算物理上の最近の手法の発展(グラウバーダイナミクスや複素時間発展、金子氏(E02公募)虚時間実時間解析接続の手法、動的モード分解)について一遍の理解が得られるような素晴らしい講演をしていただきました。求氏の量子リザバーポンピングや山本氏(B02分担)、小沢氏のトモグラフィなど新たな視点を取り入れた研究についての発表が行われたことは多くの方々の興味を引く内容であったと思います。また実際にダイナミクスを物性実験にて実装している田村氏、小沢氏によって冷却原子系のダイナミクスの特徴がどのような形で観測されるかが、技術面も含め紹介されました。若手研究者も多く参加していただき、各講演で時間が足りないくらい活発な質疑が行われました。

講演の一部については以下でスライドを公開しております(スライドがあるものはタイトルにリンクが貼ってあります)。閲覧する際、内容に関してcreditに配慮いただきますようお願いいたします。

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